(湧網線廃線跡を走る)
距離: 50.8km
獲得標高: 200m
正味ライド時間: 2h55m
天候: 晴れ 18℃/21℃
風:北東の風 4m(やや強めの横風・向かい風)
バス輪行とワッカ原生花園のサロマンブルー
朝6時、空を覆う低い暗雲に一抹の不安を覚えながら網走の宿を出発。
すき家でサクッと朝食を済ませ、網走バスターミナルのコインロッカーに不要な荷物を預ける。
7時20分発の常呂(ところ)ゆきバスに乗り込み、約1時間のバス輪行。
車内でPayPay決済が使えるのが地味に嬉しい。
余談だが網走バスはかつて名鉄グループだった名残で、今も懐かしい名鉄カラーを纏っている。

📷 網走バスターミナルに佇む名鉄カラーの網走バス 名鉄の名残 かつての系列の面影を残す路線バスで、サロマ湖の玄関口へ向かう
常呂バスターミナルへ到着し、まずはロコ・ソラーレ誕生の地である「常呂カーリングホール」へ。
ホール名には大手自動車部品メーカーの名が冠されている。
まだ開場前だったため、帰り道に再び覗くことにして、まずは「ワッカ原生花園」へと相棒を走らせる。
「ワッカ」とはアイヌ語で「水の湧く処」を意味するらしい。
オホーツク海とサロマ湖を分かつ長く突き出た砂州の半ばまで遊歩道が整備されており、自転車の乗り入れが可能だ。
多くのファミリーやカップルがレンタサイクルで風を切っている。
先端の「ワッカの水」を目指し、片道9kmの快走路を進む。
北東からの涼しい風を受け、遥か能取岬(のとろみさき)を望みながら走る。
第2湖口橋に立ち立ち止まると、オホーツク海とサロマ湖を結ぶ水道の流れの速さに息をのむ。
そして橋の上から湖側を見渡せば、そこには「サロマンブルー」に燦然と輝く雄大なサロマ湖の絶景が広がっていた。
これを見に来たのだ。

📷 サロマンブルーの輝きを放つ雄大なサロマ湖 歓喜のサロマンブルー 第2湖口橋から見下ろす吸い込まれそうな青。求めていた絶景に出会う
折り返し、再びカーリングホールへ立ち寄ると「見学自由」の貼り紙が。
扉を潜ると、生のカーリング練習風景を拝むことができた。
非常に立派なホールだ。
数日後、ここでロコ・ソラーレのメンバーが子どもたちにカーリングを教えるイベントが開催されたニュースを目にした。
惜しい、数日ズレていれば……と悔やまれるが、それも旅の巡り合わせだ。

📷 氷上の熱気が伝わる常呂カーリングホールの練習風景 聖地のカーリングの街・常呂の立派なホールで生練習を見学。
湧網線廃線跡と不意の倒木
常呂から網走までは、かつての国鉄・湧網線(ゆうもうせん)の廃線跡を利用した「常呂網走自転車道」を辿って40kmの道のりを走る。
視界が開けた区間は非常に景色が良く走りやすいのだが、全体の半分ほどは鬱暮とした林の中に覆われており、路面には落葉や小枝が散乱していてなかなか神経を使う。
能取湖の傍らを抜ける25km以上の区間で、すれ違ったサイクリストはたったの一人。
実に勿体ない。
しっかりと整備すれば素晴らしい観光資源として化けそうなポテンシャルを感じる。

📷 緑のトンネルが続く常呂網走自転車道 廃線跡を往く かつて列車が駆け抜けた鉄路跡。時折訪れる悪路に気を引き締める
黙々とペダルを回していると、線路脇に突如としてSL(蒸気機関車)が姿を現した。
駅名標には「卯原内(うばらない)」の文字。
そう、ここはかつて湧別と網走を結び、人や農産物、木材を運び、サロマ湖や能取湖の車窓で地域経済と観光を支えた歴史ある鉄路の跡なのだ。往時の賑わいに想いを馳せる。

📷 静かに時を刻む卯原内駅跡の蒸気機関車 湧網線の記憶 地域を支えた鉄路の遺構。ノスタルジックな静寂が広がる
そんなノスタルジーに浸っていると、突如としてコース上に立派な「倒木」が立ちふさがった。
人力で動かせるサイズでは到底ないため、自転車を肩に担ぎ、慎重に脇の茂みを迂回して通過する。
荒れた北海道品質のロードには慣れっこだが、こういうサプライズも廃線跡ポタリングの醍醐味だろう。

📷 自転車道を完全に塞ぐ立派な倒木 突然の試練 動かない大木を前に、愛車を担いで静かに迂回を決め込む
能取湖と網走湖の間に立ちはだかる峠は、なかなかの勾配。
「かつてSLもこの登坂にはさぞ苦労したことだろう」と、吐く息を荒くしながら坂を上り詰める。
10国走破の完結と次なる旅へ
峠を下り、静かな網走湖を背景にパシャリ。
網走の市街地へと滑り込み、遅めの昼食を胃袋に収める。
バスターミナルへ寄り道して預けていたコインロッカーの荷物を回収し、本日の、そして今回の旅のゴール地点である「網走駅」へと到着した。
網走駅の前で愛車とともに記念写真を収める。
天候に気をもまされ、逆風に晒され、悪路とアブの群れに耐え抜いた日々。
しかし何とか無事に、あらかじめ計画していた「北海道旧10国」を繋ぐライドを完走することができた。
途切れのない輪跡が地図上に刻まれた実感が胸に押し寄せ、感無量だ。
日本全国が危険なほどの酷暑に覆われている今、まともに自転車を走らせられる場所は当分北海道くらいしかないかもしれない。
無事に全行程を走り抜けた感謝を胸に抱きつつ、はやくも心は次の道へと走り出している。
さて、次はいつ、どこを走ろうか?

📷 静かな水面を見せる網走湖 旅の終盤 峠を越え、湖畔の静けさに包まれながら市街地へと向かう

📷 すべての輪跡が結実した終着・網走駅 10国走破の歓喜 無事に計画をやり遂げた達成感。相棒とともに次なる旅へ思いを馳せる


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