(野上峠を越えて北見の国へ)
距離: 72.8km
獲得標高: 410m
正味ライド時間: 3h50m
天候: 曇り後晴れ 15℃/27℃
風:主に追い風 2〜4m(山側追い風微風・海側横追い風やや強め)
カルデラの外輪山とアブの群れ
朝8時10分、肌寒さを感じながらホテル摩周を出発。
薄手のウインドブレーカーを羽織って漕ぎ出すも、上り坂に差し掛かるとすぐに汗ばんできたため早々に脱ぎ捨てる。

📷 朝の冷気の中で出発を待つ愛車 北見の国へ 肌寒さを感じつつ、最後の国を目指してペダルを踏み出す
川湯温泉へと向かう道は、釧網本線の鉄路と並走するまっすぐな上り坂だ。
最大斜度8%の坂を上り詰め、17km地点の川湯温泉駅へ到着。
獲得標高はまだ100m、目指すピークまではあと250mもある。
数年前、荷物を今の2倍以上も積んだグラベルロードで屈斜路湖畔へキャンプしに来た記憶が懐かしく蘇る。
反対側には硫黄山の荒々しい姿がそびえていた。


📷 川湯温泉駅のレトロな駅舎と硫黄山 懐かしの地 かつて大荷物で走った記憶を重ね合わせ、外輪山へと挑む
一面に広がる圧巻の蕎麦畑を抜け、野上峠に向けてカルデラ外輪山の登坂が本格化する。
上りの途中、車では思わず見逃してしまいそうな木々の隙間から、一瞬だけ屈斜路湖が青い姿を覗かせた。

📷 木々の隙間から一瞬だけ顔をのぞかせた屈斜路湖 自転車ならではの視界 車では通り過ぎてしまう一瞬の青い輝きをキャプションする
最大斜度6%と激坂こそなかったものの、路肩の荒れ具合は半端ではない。
そして何より苦しめられたのが、まとわりつくアブの群れによる猛攻だった。
速度が落ちる上り坂では格好の餌食となってしまう。
休憩のたびに虫除けスプレーを塗りたくるも完璧な防御にはならず、この時期の山中登坂における虫除け対策の重要性を身をもって知らされた。
アブと悪路に耐えながら峠を上り詰め、小清水町との境にある「野上峠」に到着。
ついに旧国名・北見の国(きたみのくに)へと足を踏み入れた。

📷 アブの猛攻に耐え抜いて辿り着いた野上峠 北見国侵入 路肩の荒れと虫の洗礼を越え、カルデラ外輪山を制覇する
穀倉地帯からオホーツクの海へ
野上峠からの下りは、これまでの国道391号の悪路が嘘のように良好な路面状態となり、一気に快適に駆け下りることができた。
下り切った先に広がっていたのは、一面のじゃがいも畑。
牧歌的で力強い穀倉地帯がどこまでも続いている。
12時前、小清水町の「いこいの広場」にて昼食を済ませる。
朝一番に寄ったローソンからここまで約50km、途中に道の駅すらなく、ここでようやく次のコンビニに出会うことができた。
このルートでの補助食と補給飲料の携行は絶対に欠かせない。

📷 一面に広がる小清水町のじゃがいも畑 牧歌的な穀倉地帯 峠を下り切ると、どこまでも続く緑の絨毯が迎えてくれた
浜小清水駅まで下ると、こんな辺境の地にあることで有名な「モンベル」の店舗が現れる。
「小清水原生花園展望台」からは、自転車旅としては初めてのオホーツク海越しに、すっかり夏の装いとなり雪の消えた知床連山が遠くに望めたし、
さらに濤沸湖(とうふつこ)沿いの木道からは、頂の雲がすっきりと晴れ上がった斜里岳の雄姿を拝むことができた。

📷 浜小清水駅に隣接するモンベルストア 最果ての拠点 こんな辺境の地に建つ有名スポット。旅人の心をくすぐる
濤沸湖の草原では、道産子(どさんこ)たちが静かに草を食んでいた。
これは外来種の繁殖を抑える「生態系保全型放牧」として行われている取り組みだそうで、北の大地の知恵に感心させられる。

📷 濤沸湖の草原で草をはむ道産子たち 生態系を守る馬たち 外来種を抑える保全型放牧。北の大地の営みに深く感心する
オホーツク海沿いの鉄路に沿って走り、北浜駅へ。
観光地化して賑わう北浜駅を後にし、隣の藻琴(もこと)駅へ立ち寄る。
こちらも北浜に負けず劣らずレトロで味わい深い木造駅舎だ。
昼の時間帯はまったく列車が走っていないのが撮り鉄としては残念だが、その静けさもまた良い。

📷 味わい深いレトロな佇まいを見せる藻琴駅 静寂の木造駅舎 観光地化した北浜駅とは一味違う、ノスタルジックな風情に浸る
十国走破の結実とサロマンブルーへ
オホーツクの心地よい横追い風を受けながら海岸線を走り抜け、14時過ぎに目的地の網走へと無事に到着した。
今日のライドをもって、千島を除く「北海道旧国(11国)」のうち10国に自らの自転車で車輪を踏み入れたことになる。
「北海道ライド」の大きな目標を、今日ここでついに達成することができた。
過酷な向かい風、容赦ない悪路、身体を濡らした冷たい霧雨、そして山道で襲いかかってきたアブの群れ。
数々の試練を乗り越えて繋いできた一本の輪跡が、いま最高の達成感となって胸を満たしている。
これで北海道ライドもひとまず大きな一区切りだ。
しかし、旅はまだ終わらない。
せっかくここまで走ってきたのだ。
明日は「まだ見ぬサロマンブルー」の絶景をこの目に焼き付けるため、再びサロベツ・サロマの海沿いへとペダルを回すことにしよう。
今日も無事に走り切れたことに感謝を。

📷 青空が広がる網走川河口と愛車 10国走破の達成 目標を果たし、感無量で網走の風を感じる。明日はサロマンブルーへ

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