自転車旅 北海道道東編/⑥2026-7-31 釧路→摩周

Bike trip

(三国峠越えの再来、霧雨の中のライド)

距離: 78.5km
獲得標高: 620m
正味ライド時間: 4h10m
天候: 曇り一時霧雨
気温:17℃/20℃
風:横風・逆風 2〜3m



出発直後のトラブルと雨宿りの恵み

数日前の天気予報では今日のライドは半ば諦めていたが、今朝の予報を確認すると「曇り」に上方修正されていた。
昨夜の雨で宿の前の路面は濡れていたものの、十分に走れそうな状態だ。
決意を固め、摩周を目指して9時に宿を出発する。

📷 雨上がりの宿の前で愛車とともに 霧の街を出発 曇り空の隙間を突き、摩周へのペダリングを開始する

しかし、漕ぎ出して間もなく、釧路川大橋の手前で後輪のチェーンが突然外れるトラブルに見舞われた。
立ち止まって原因を探ると、リアディレイラーハンガーの固定ボルトが緩んでいたことが判明。
大事に至る前に気づけたのは幸いだったが、先行きに一抹の不安がよぎる。

再び走り出すと、間もなく冷たい霧雨が身体を打ち始め、東釧路駅近くのコープへ緊急避難。
午後は降水確率が下がる予報だったため、イートインでサンドイッチを頬張りながら道が乾くのをじっと待つ。
この先のルートは補給ポイントが心細いため、ここで腹ごしらえだ。

11時、道が乾き始めたのを見計らってコープを出発。
しばらく釧網本線と並走していると、突然踏切の警報機がカンカンと鳴り響いた。慌ててカメラを構えると、目の前を観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」がゆっくりと通過していく。
あの雨宿りの時間があったからこそ出会えた奇跡。まさに怪我の功名だ。

📷 警報機が鳴り響き現れたノロッコ号 雨宿りがもたらした幸運 雨を避けた時間が生んだ一瞬のドラマ。力強く湿原を駆ける姿を捉える


試練の4つの峠と北海道品質の悪路

コースは徐々に高度を上げ、今日は合計4つの峠を越えるハードな旅程となる。

標茶(しべちゃ)町の入口へ向かう2番目の峠は、本日最も獲得標高の大きい難所だ。
この峠の途中で再び冷たい霧雨が降り出し、全身ずぶ濡れに。峠道ゆえに雨宿りをする場所などあるはずもなく、もはや諦めモードでただ黙々とペダルを回し続ける。

📷 標茶町の入口にそびえる2番目の峠頂上 試練の坂 激しい霧雨に打たれ、ずぶ濡れになりながら這い上がった峠の頂

雨もさることながら、それ以上に身体を削ってくるのが道の「悪路ぶり」だった。
3桁国道の国道391号は昨日の44号とは大違いで、荒れた舗装、無数のクラック、深い穴、そして耐え難い連続波状衝撃。
終始伝わるダイレクトな振動に身も心も擦り減らされ、早々に手の平とお尻が悲鳴を上げた。

ふと愛車を確認すると、あまりの波状衝撃によりサドルの前後位置が大きくズレてしまっていた。
朝のハンガーボルトの緩みといい、この悪路では定期的な確認と増し締めが絶対に欠かせないと痛感させられる。

塘路(とうろ)駅の手前で行程の3分の1である25kmに到達。
ノロッコ号の乗客だろうか、駅舎内は大いに賑わっており、周囲にはリバーカヤックの体験ショップが点在していた。

📷 雨に煙る塘路駅の静かな佇まい 湿原の拠点 ノロッコ号を楽しむ観光客の熱気を感じつつ、先を急ぐ

塘路湖、そしてシラルトロ沼の傍らを静かに通過する。
「晴れていたらどんなに素晴らしい絶景だったろう」と思わずにはいられないが、雲はどこまでも低く垂れ込めている。

📷 低く垂れ込む雲と塘路湖の湖面 静寂の湖畔 晴れ間を想像しながら、冷たい風を切って北上を続ける


屈斜路湖へと続く道と摩周温泉の湯

峠を下り、チェーン外れ事故以来となる釧路川と久しぶりに再会を果たす。
この釧路川の源流は、日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖(くっしゃろこ)。
今日の目的地である摩周温泉まで、ずっと寄り添うように並走してくれる頼もしい存在だ。

📷 湿原の奥から姿を現した釧路川の清流 源流への道標 屈斜路湖から注ぐ流れとともに、摩周の地を目指して北上する

標茶の街に入ると道は乾き始め、風景も湿原帯からのびやかな牧草地へと変化した。
牛やポニーの姿が目に入り、荒れた路面に張り詰めていた心がすっと和らぐ。
一面の牧草地だけでなく、釧路川の豊かな恵みを活かした稲作や穀物栽培の畑がどこまでも広がっていた。

📷 のびやかな牧草地と草をはむ牛たち 安らぎの風景 荒れた路面のストレスを忘れさせてくれる、道東らしい牧歌的な風景

磯分内(いそぶんない)の踏切を渡る手前で、通過する列車をパシャリ。
15時31分摩周着の網走ゆき列車だ。
もし悪天候で塘路や標茶で離脱していれば、乗るはずだった列車を見送り、自力でここまで走り抜いた実感が湧いてくる。

📷 磯分内の踏切を走り抜ける釧網本線の列車 自走の証 リタイアしていれば乗っていたはずの列車を見送り、自らの脚を誇る

16時前、本日のゴールである摩周駅へ無事に到着。
この界隈は、かつて屈斜路湖でキャンプツーリングをした際にも走った思い出の地だ。
懐かしさに浸りつつ、途中のコープで晩酌の食料を調達し、今夜の宿「ホテル摩周」へチェックイン。

建物の外観には歴史を感じるが、温泉が素晴らしい。
源泉かけ流しの低張性アルカリ高温泉に身を沈めると、悪路と霧雨に痛めつけられた全身の疲れが嘘のように溶け出していくのを感じた。

ずぶ濡れと悪路に耐え抜いた一日だったが、湯の温もりがすべてを優しく包み込んでくれた。
明日も無事にペダルを回せますように。感謝を。

📷 歴史を感じさせる佇まいのホテル摩周至福の湯浴み 源泉かけ流しの極上湯で、一日叩き込まれた振動と疲れを綺麗に洗い流す

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