(後志国への峠越えとウニ丼の試練)
距離: 65.5km
獲得標高: 430m
正味ライド時間: 3h45m
天候: 晴れのち曇り
気温:18℃/23℃
風:南東 4m
当別バイパスの快走と銭函の激坂
今日のスタートは「あいの里公園駅」。 朝風が思いのほか強く肌寒さを覚えたため、レッグカバーとアームカバーを装着して相棒とともに走り出す。

📷 今日のスタート地点、あいの里公園駅 冷気の朝立ち 強めの風に身を固め、後志の国を目指して走り出す
銭函(ぜにばこ)までの最初の25kmは、南東からの追い風を背に受けて快調そのもの。
当別バイパスは非常に走りやすく、日曜の早朝ゆえ大型トラックの姿も少ないのが嬉しい。
だが、国道337号へ入ると一変。北海道特有の最悪レベルに荒れた路面が襲いかかる。 さらに銭函から国道5号へと繋がる道に入ると、最大斜度15%を超える容赦のない激坂。ギアを使い切っても太刀打ちできず、早々に降車してほぼ押し歩く羽目になった。

📷 銭函駅近くの踏切を通過する上り列車 激坂の前の平穏 追い風のバイパスを快走後、15%超の壁に跳ね返される
小樽へと続く峠越えは、アップダウンをこなした後に3〜6%の坂が5kmほどダラダラと続く。マイペースで焦らずゆっくり上る。 途中の張碓(はりうす)トンネルは長いものの、広めの歩道が確保されていたため安全にパスできた。日曜とあって何人ものチャリダーに1.5倍ほどのスピードで颯爽と追い抜かれ、一瞬イラッとするが「無理は禁物」と自分に言い聞かせる。銭函を過ぎてからは、追い風の恩恵もすっかり薄れてしまった。

📷 張碓トンネル入口の手前 チャリダーの交差 マイペースを崩さず、長いトンネルの歩道を静かに登る
峠をピークアウトすると快適な下り坂。 走りやすい国道5号を滑り降り、少し寄り道をして小樽港の「OTARU」文字モニュメント前へ立ち寄った。

📷 小樽港に佇むOTARUモニュメント 下り坂の息抜き 峠を越え、港町の風を感じながらひと息つく
小樽から余市へ、砂留トンネルの迂回路
小樽駅前でチェックポイントの撮影(ここまで45km)。 残すは余市までの峠越え、約20kmだ。

📷 坂の途中に佇む小樽駅前 中間地点 45kmを消化。余市への最後の峠越えを前に気を引き締める
小樽の街を抜けるとすぐに再び峠道となり、行く手に「砂留(すなどめ)トンネル」が立ちはだかる。 歩道はあるものの、かなり狭い。思案の末、トンネルの両脇に通じる旧道へ迂回するルートを選択した。

📷 砂留トンネル脇から旧道へ 選択と代償 狭いトンネルを避け旧道を選ぶも、荒れた路面が容赦なく脚を削る
しかしこの旧道、3〜6%の上りが約3km続き、路面状態も劣悪で思っていた以上に脚力を削り取られる。 なんとか国道5号に合流してすぐにピークアウト。あとは待望の下り基調だ。
峠を越えた先、眼下に青い海が広がっていた。 このリアス式海岸の続く先に、目的地の余市があるのだろう。 この先、1,063mの塩谷(しおや)トンネル、1,742mの忍路(オショロ)トンネルと長大トンネルが相次ぐが、いずれも広めの歩道が整備されており、不安なく走り抜けることができた。

📷 峠を越えた先に広がるリアス式海岸 青の予感 トンネル群を抜け、余市の海へと近づいていく
鉄路の哀愁とウニ丼の「2時間待ち」
無事に「余市駅」へ到着。無走破の地に到達した歓びが込み上げる。
しかし、この駅に立つとどこか切ない想いが胸をかすめる。 北海道新幹線の札幌延伸の折には、このあたりの並行在来線(函館本線・山線)は廃止が決定しており、この歴史ある駅舎もなくなってしまうかもしれないからだ。 日曜の今日は多くの観光客で賑わっているように見えるが、小樽の爆発的な賑わいと比べれば遠く及ばないのが現実なのだろう。未だにSuicaすら使えない駅の扱い格差にも、ローカル線の厳しい立ち位置を実感させられる。

📷 歴史を刻む余市駅前 廃線の足音 新幹線開業の陰で消えゆく運命の鉄路。賑わいの中に悲哀が漂う
気を取り直して、安くて美味いと評判の「海鮮工房 柿崎商店」へ向かう。 9時開店の店に9時30分に到着したものの、すでに店の前には気の遠くなるような長蛇の列。

📷 柿崎商店の前に伸びる長蛇の列 ライド以上の試練 9時30分にしてこの行列。2時間の忍耐が試される
結局、待つこと2時間弱。正直、今日のどの激坂ライドよりも過酷な待ち時間だった。 日曜日だから仕方ないと自分を慰めつつ、念願の「ウニ丼」と対面する。
口に運べば、とろける甘みと磯の香りが広がり、堪らなく美味い。 ……だが、至福の時間は一瞬だった。あっという間に胃袋へと収まり、至福から無情の虚無感へ。 食べ終わって外に出ると、お昼時を迎えた行列の長さは、到着時と何一つ変わっていなかった。

📷 念願の絶品ウニ丼 至福から無情へ 口の中で消える黄金の味。一瞬の贅沢を噛み締める
ニッカの壁と積丹ブルーの予感
食後はすぐ近くの「ニッカウヰスキー余市蒸留所」へ。 重厚な正門の前まで行ったものの、なんと現在は完全予約制。ショップくらいは入れるだろうという甘い考えは見事に打ち砕かれた。平日ならば飛び込みでも入れたのだろうか。外観を目に焼き付けて後にする。

📷 重厚な佇まいを見せるニッカウヰスキー余市蒸留所 予約の壁 門前払いに苦笑い。歴史ある佇まいを外から静かに眺める
最後に、余市川に架かる橋の上から一枚。 川の流れの少し先には、美しい海が光っている。 この先の険しい道を進んでいけば、誰もが憧れるあの「積丹(しゃこたん)ブルー」の海が待っているのだろう。だが、今回の旅はここまでとしよう。
こうして無事に、後志(しりべし)の国にも自分の足で確かな輪跡を残すことができた。
今日もいろいろあったが、良いライドだった。 北の大地に感謝を。

📷 余市川の橋上から望む海への出口 後志の輪跡 積丹ブルーへ続く道を思い描きつつ、無事の完走に感謝を捧げる

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