(天塩国から石狩国へ輪行)
距離: 10.3km
獲得標高: 39m
正味ライド時間: 0h32m
天候: 朝 曇り(旭川は晴れ)
気温:朝13℃
風:微風
湯治の余韻と早朝の脱出
朝、豊富温泉の宿を出る。 強烈な焦げ臭というか、石油独特の匂いが鼻を突く。39℃のぬる湯は長時間じっくり浸かることができ、皮膚病に悩む人々が全国から湯治に訪れるというのも頷ける。大正末期、石油試掘の際に天然ガスとともに吹き出たのが始まりだそうだ。

📷 豊富温泉の出口にて 油の匂い残る朝 名湯の余韻を背に、雨に降られる前に駅へと急ぐ
空を見上げると今にも雨が降り出しそうな雲行き。急ぎ足で豊富駅へと向かう。 駅近くのセイコーマートでおにぎりとパンを買い、ホームへ立ち出でる。
この駅には構内放送がない。何も知らずに待っていると乗り遅れてしまいそうな静けさだ。 7:18発の「特急サロベツ2号」に乗り込む。車内から外を眺めると、鉄路の多くは防風防雪林に覆われ、視界が遮られる。北海道の雄大さを肌で感じるなら、やはり見通しの利く車道を走るに限る。
車窓の向こうで、これまで伴走してきた天塩川が遠ざかっていく。 今度は凍てつく冬の日に、白く結氷したその姿を拝みに来たいものだ。
鉄路に揺られ、旭川の昼食
列車は順調に走り、昼前に旭川駅へと滑り込んだ。
駅ナカの食堂へ向かい、いつもの「学生焼きそば(590円)」と「おにぎり(200円)」を注文する。 運ばれてきたおにぎりを一口かじってみるが、中に具が入っていない。少しばかり肩を落とした。

📷 旭川駅ナカ食堂の焼きそばとおにぎり 素朴な昼飯 具のないおにぎりに一瞬苦笑いしつつ、お腹を満たす
12:38発の石北本線「特別快速大雪」へ乗り換える。 旭川の街は汗ばむほどの晴天だったが、列車が山あいに近づくにつれて、車窓の先にはどんよりとした暗雲が立ち込め始めていた。

📷 旭川駅ホームの特別快速大雪 山へ向かう鉄路 晴れ渡る街をあとに、雲が広がる大雪山系を目指す
暗雲湧く層雲峡へ
上川駅で下車し、川上森のテラスバスタッチから層雲峡行きの道北バスに乗り換える。 車内は空いており、大きな輪行袋を持ち込んでも邪魔になることはなかった。
バスに揺られることしばらく、断崖絶壁が迫る層雲峡温泉街へと足を踏み入れた。

📷 層雲峡行きバス車内の輪行袋 静かなバス旅 ゆったりとした空間に揺られ、奥深き渓谷へ

📷 層雲峡温泉の案内表示板 峡谷の街 険しい山肌に囲まれた温泉郷へと到着した
羆の陰影とビジターセンター
明日挑戦予定の三国峠越えに備え、注意事項を確認すべく層雲峡ビジターセンターを訪れた。
館内に入ると、リアルな羆(ヒグマ)の剥製が凄みを利かせて出迎えてくれる。山中でこんな奴と鉢合わせしたらたまったものではない。 スタッフに自転車での峠越えについて尋ねてみたが、心配していた羆に襲われたという事例は聞いたことがないという。それよりも「路面状態の悪さによる事故や、車との接触、スピードの出し過ぎに十分注意してほしい」と念を押された。 このあたりには人間に慣れた「アーバンベアー」もおらず、基本的には熊の方から近づいてくることはないそうだ。ひとまず胸を撫で下ろす。

📷 ビジターセンターに佇む羆の剥製 迫る巨躯 山中で遭いたくない圧倒的な存在感に、思わず身が引き締まる
闇夜に浮かぶランタンの灯火
この時期、町の有志会が主催して毎週土曜日に開催しているという「ランタンフェスティバル」が有ると聞いて行ってみた。
タコ糸で繋がれたヘリウムガスバルーンがケミカル発光し、夜の渓谷に幻想的な灯りを浮かべ上げている。 遠方から車で観賞に訪れる人も多く、思っていた以上に風情のあるイベントだった。
見るだけならタダ。偶然の出会いに感謝しつつ、あたたかな光を眺めた。
今日はほとんどペダルを回していないが、移動と温泉、そして予期せぬ景色で心地よい疲労感がある。 明日は高低差のある三国峠が待っている。早めに床に就くとしよう。

📷 夜空に浮かび上がるランタンの灯火 渓谷の夜宴 静かな温泉街を彩る光の輪に、しばし心を奪われる


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