自転車旅  九州西岸編/③2026-10-4 唐津→佐世保

Bike trip

雨混じりの筑肥線沿いから伊万里、有田川を経て佐世保へ。分断された鉄路と港町の歴史を訪ねる旅

距離: 71.5km
獲得標高: 510m
正味ライド時間: 4h40m
天候: 雨のち曇り 20℃(8時)/24℃Max 北東の風2m

          

雨待ちの朝食と唐津からの旅立ち

朝から冷たい雨が降っている。
雨雲レーダーの予想を信じ、小降りになるであろう9時頃の出発を決めて雨仕度を進める。
前日までに食券を買っておいたホテルの朝食ビュッフェ(950円)をいただく。
鯛茶漬けやイカシュウマイといった地域色豊かな料理が並び、大変お値打ちな朝食だった。

本日の行程は、昨日鉄路で往復した筑肥線沿いに伊万里を抜け、佐世保へと向かう約70km。
途中に二、三の峠越えを挟むが、時間的には十分余裕がある。
レインジャケットを羽織って宿を出たものの、走り出して身体が温まるとすぐに脱ぎ捨てる。
寒さを感じるほどの雨風ではなかった。
雨は10時頃までパラパラと降り続いた。

📷 ホテルの朝食ビュッフェ   地域色あふれる朝食 鯛茶漬けとイカシュウマイでエネルギーを補給。

筑肥線沿いの旧道と金石原の峠越え

唐津線と別れ、筑肥線沿いにペダルを回す。
西相知(にしおうち)駅近くの踏切を渡ったあたりで細い旧道に迷い込んでしまい、「途中で未舗装路にならないか」と祈るような心地で先を急ぐ。

途中の桃川駅近くではフタバ産業の伊万里工場を見つける。
伊万里といえば焼物の町の印象が強いが、北部九州は自動車産業が集積しているのだと改めて実感する。

せっかくならと少し遠回りをして筑肥線に沿って走ってきたが、金石原(かないしはら)駅で待望の瞬間が訪れた。
ここで初めて列車と遭遇し、カメラに収めることができた。
苦労して遠回りしてきた甲斐があったというものだ。

この先は唐津〜伊万里間の一番の難所。
最大斜度7%で25mを一気に駆け上がる峠越えが待っている。
坂を上りきると、これまで沿ってきた松浦川水系とはここでお別れとなった。

📷 西相知駅近くの踏切 迷い込んだ旧道   舗装が途切れないことを祈りつつ、細い道を辿る。

📷 金石原駅と列車   報われた遠回り 旅先で偶然出会う列車には、どこか惹かれるものがある。

伊万里駅:切断された鉄路とスイッチバック

伊万里の街に入る。ここまで約40km。
JR伊万里駅と松浦鉄道(MR)伊万里駅を結ぶ跨線橋の前に立つ。
かつては一つの線路としてつながっていた鉄路だが、今は道路を挟んで完全に切り離されてしまっている。
時代の流れとはいえ、レールが分断された光景には少し寂しさを感じてしまう。

この分断によって、松浦鉄道側の伊万里駅は珍しいスイッチバック構造の駅となった。
切り離された線路の端を見つめた後、近くのファミレスに入って昼食をとることにする。

📷 伊万里駅の跨線橋  切断された鉄路 道路を挟んで左がJR駅、右が松浦鉄道駅

📷 松浦鉄道伊万里駅   スイッチバックの駅  右が松浦市方面、左が有田方面。

曼珠沙華咲く田園と有田川沿いの道

伊万里を後にし、これからは有田川の流れに沿って遡っていく。
松浦鉄道の山谷(やまだに)駅近くを通ると、沿道の至る所に黄金色の頭を垂れる稲穂が広がっていた。
その田んぼの畔には真っ赤な曼珠沙華が咲き並び、秋の訪れを色濃く告げている。
静かな田園風景と清流に心を和ませながら、穏やかなペースで進む。

📷 山谷駅近くの田園風景   稲穂の絨毯が映える。

📷 有田川の流れ 川沿いの道   有田川の水面を眺めながらペダルを回す。

三河内焼きの里と佐世保手前の激しいアップダウン

JR佐世保線の三河内(みかわち)駅へ立ち寄る。
駅名の読み方が気になって足を止めたのだが、「ミカワウチ」ではなく「ミカワチ」と読むことを知る。
この地は伝統工芸品である「三河内焼」の窯元が集まる歴史ある里だ。

大塔(だいとう)駅近で撮り鉄し、いよいよ佐世保の市街地へ近づく。
しかしここから佐世保駅までの区間が、この日一番の試練となった。
丘の上に建つジャパネットのビルがどこか恨めしく思えるほど、容赦ないアップダウン。
行程の最終盤では辛すぎる。
14時頃には再び30分ほど雨に降られ、疲れの出始めた足に坂道が重く響いた。

📷 JR三河内駅   難読駅名と伝統の里 三河内焼の歴史を秘めた静かな駅舎。

📷 大塔駅近くの踏切   試練の激坂が立ちはだかっているとも知らずに撮り鉄を楽しむ。

港町・佐世保:自衛隊艦船と充実の資料館

アップダウンを乗り越え、ついに港町・佐世保に到着。 港へ向かうと、海上自衛隊の多用途支援艦『あまくさ』の姿があった。
グレーの船体が静かな港に佇む光景は、軍港としての長い歴史を持つ佐世保ならではのものだ。

ホテルに移動して大きな荷物を下ろした後、「海上自衛隊佐世保史料館(セイルタワー)」へ足を運ぶ。
館内の展示は極めて充実しており、旧海軍から現在に至る歴史をじっくり学ぶには最低半日は必要なほど見ごたえがあった。

📷 佐世保港と艦船「あまくさ」  軍港の佇まい 海自の艦船が静かに佇む港の風景。

旅の終わりの佐世保バーガーと夜の思索

夕食は佐世保の名物、佐世保バーガーを食べに「ブロンクスブルグ」へ。
注文して運ばれてきたハンバーガーは、肉の旨味がしっかりと詰まった実に「肉肉しい」絶品で、今日一日の疲れが一気に吹き飛ぶようだった。

今日の宿では、残念ながら部屋への自転車持ち込みは断られてしまった。
輪行袋に入れれば客室まで持ち込めるようだったが、組み立ての手間を考え、建物裏にある回転式立体駐車場脇のスペースに駐輪させてもらった。
夜間は管理人が不在になると聞き、盗難やイタズラが少し心配ではあったが、後から客室やエレベーターの狭さを目にして「これは自転車を持ち込むのは無理だな」とホテル側の事情に納得した。

雨に降られ、坂道に苦しめられもしたが、終わってみれば充実した一日だった。
明日の行程に思いを馳せながら、佐世保の夜は静かに更けていく。

📷 ブロンクスブルグの佐世保バーガー  ジューシーな肉の味わいを心ゆくまで堪能する。

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