自転車旅 北海道天塩国編/②2026-6-18 名寄→豊富温泉

Bike trip

(長江 天塩川に沿って)

距離: 134.8km
獲得標高: 780m
正味ライド時間: 6h50m
天候: 名寄晴れ 美深から曇
気温:16℃/23℃
風:中川町より逆風やや強し



ひんやりとした朝の旅立ちと荒れた路

朝6時30分、宿をあとにした。 念のためウインドベストを着込んで走り出したが、すぐに体が温まり脱ぎ捨てる。冷たい空気が肌に心地いい。

宿を出てすぐ、雄大に流れる天塩川の橋を渡る。 通勤途中だろうか、原付や自転車に跨がる自衛隊員とすれ違う。この街であちこちで見かける光景だが、北海道らしさを感じてどこか微笑ましい。

📷 天塩川の橋の上から望む大河の流れ 雄大な流れ 川面に朝の光が走り、静かに旅が始まる

少し進むと智恵文峠に。5%ほどの勾配を上りきり、爽快に駆け下りようとした瞬間、ブレーキを強く握り直した。 ひび割れ、轍、そして大きな口を開けたクレーターのような窪み。一瞬の油断も許されない劣悪な路面状況に、スピードを殺して慎重に下る。

📷 智恵文峠の峠道 気を緩められない下り クレーターを回避しながら慎重に高度を下げる

20kmほど走り美深駅へ。美深の周りはいかにも「北海道、でっかいどー」と叫びたくなる大パノラマだったが、恩根内を過ぎると一変して見慣れたV字谷へと入っていく。アップダウンが容赦なく脚を削り始めた。


天北線のなごり、音威子府の駅

50km地点の音威子府駅に到着。 駅内には充実した鉄道ジオラマや、かつて走っていた天北線の資料が展示されていた。じっくりと読み込みたい誘惑に駆られたが、今日はまだまだ先が長い。

川に目をやると、天塩川をリバーカヤックが優雅に下っていた。パドリングすら不要に見えるほど、流れに乗って滑るように進んでいく。

📷 音威子府駅の展示 鉄路の記憶 廃線の歴史に思いを巡らせつつ、先を急ぐ


道端の生き物と開ける景色

音威子府を過ぎると、道路を行き交う車の数が劇的に減った。 長い富和トンネルを抜ける。寒さと結露で路面が濡れていたが、幅が広く走りやすかったのはありがたい。

路傍に目をやると、ほとんど動かないミヤマクワガタが転がっていた。この旅で確認したのはこれで三匹目。やはりここは北の大地なのだと実感する。

📷 道端で見つけたミヤマクワガタ 北国の道草 都会では見かけなくなった夏の主が静かに横たわる

中川町に入り、放牧されている牛の群れに向かって思わず「モーモー」と大声で叫んでみたが、完全に見無視された。 お昼時、85km地点の道の駅でかきあげ蕎麦を流し込む。腹を満たすと、再び道は北海道らしいスケールの大きな景色へと広がっていった。

📷 中川町の牧草地に佇む牛たち のどかな風情 呼びかけには応えてくれなかったが、北海道らしい絵だ


姿を現した利尻富士

中川町を過ぎてから、風が少し強めの逆風へと変わった。 狭くて路面が荒れた雄信内トンネルを慎重に通り抜け、道道256号へと進路を取る。幌延へ向かう途中、パラパラと小さな雨粒が頬を叩いた。

幌延の手前、線路際で踏切の警報が鳴る。慌ててカメラを構え、走り去る特急サロベツの姿をなんとかレンズに収めることができた。

📷 幌延手前で捉えた特急サロベツ 鉄路の一瞬 滑り込みでシャッターを切り、旅の音を記憶に刻む

撮影を終えてふと反対側の空に目をやると、なんと利尻富士の雄大なシルエットがくっきりと浮かび上がっていた。思わず息をのむ。明日のオロロンラインからの景色に、嫌が上でも期待が高まる。

📷 遠くに聳える利尻富士のシルエット 奇跡の一枚 突如姿を見せた利尻の峰に胸が躍る


念願の湯、豊富温泉へ

幌延から本日のゴール、豊富温泉までは13kmほど。 しかし、最後に待ち受けていたのは斜度8%の峠越えだった。すでに120km以上を走り抜き、すっかり売り切れた脚にはあまりにも厳しい試練だった。

必死の思いでペダルを回し切り、豊富温泉ふれあいセンターへ到着する。 2020年8月、宗谷岬の帰りに立ち寄ったものの、コロナ禍で休業を余儀なくされ指をくわえて立ち去った因縁の場所だ。

源泉かけ流しのモール泉。湯船にはうっすらと油膜が漂い、独特の石油臭が鼻をくすぐる褐色濁湯だ。湯に身を沈めると、全身のコリと疲れが一気に溶けていく。良い湯だ。

風呂上がりには、ふれあいセンターで生ラムジンギスカンをいただく。厚切りの肉はボリューム満点で、下味なしでも肉本来の旨味がじわりと広がった。

130kmを超える長旅だったが、この湯と肉があればすべてが報われる。 今日も一日、しっかりと走り切った。

📷 豊富温泉ふれあいセンターの佇まい 6年越しのリベンジ 念願の湯を前に、長かった一日の疲れが吹き飛ぶ

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