(きまぐれな風と峠越え)
距離: 72.8km
獲得標高: 680m
正味ライド時間: 4h15m
天候: 晴れ
気温:17℃/20℃
風:主に逆風(4〜5m / 室蘭・礼文華峠は追い風)
鉄の街からの脱出と白鳥大橋
札幌のベースキャンプからの日帰りライド。荷物は必要最小限、身軽な装いで旅が始まる。 東室蘭駅の派手な面構えの駅舎をあとに、ペダルを踏み出す。

📷 東室蘭駅の華やかな駅舎前で立ち姿 日帰りライドの始点 身軽な装備で、噴火湾沿いの旅をスタートする
坂を上る途中、視界に広がったのは日本製鉄をはじめとする巨大な工場群だ。「鉄の街・室蘭」の圧倒的な存在感に思わず息をのむ。

📷 坂の途中で見下ろす室蘭の工場群 鉄の街の記憶 立ち上る煙と煙突の群れ。重工業の力強さを肌で感じる
室蘭を出て10kmほどで最初の峠へ。 身体を軽く担ぎ上げ、白鳥湾展望所へと向かう。強い追い風が背中を押してくれ、幸先の良い滑り出しに思えた。眼下には白鳥大橋が雄大に架かっている。

📷 白鳥湾展望所からの眺望 追い風の登坂 愛車を担いで上った先、白鳥大橋が眼下に広がる
風の気まぐれと険しき道程
伊達紋別駅の近くまで差し掛かると、遠くに有珠山が姿を現した。 しかし、このあたりから風向きがおかしくなり始める。予報に反して、やや強めの向かい風が真っ向から立ちはだかる。 スマホを取り出し、複数の天気予報を見返すものの、どれも「追い風」を示している。追い風を味方に峠を越える計画を立てていただけに、思わず肩が落ちた。

📷 伊達紋別付近から望む有珠山 裏切られた予報 追い風の想定が一転、向かい風に苛まれ足取りが重くなる
洞爺駅近くからは、遥か先に見える礼文の岬を仰ぎ見る。 これから立ち向かう道程の険しさを予見させるかのような、重々しい佇まいだ。

📷 洞爺駅近くから見据える礼文の岬 険路の予感 遥か彼方に霞む岬。あそこを越えていかねばならない
豊浦に差し掛かったところで、走り去る「特急北斗」をカメラに収める。 礼文の岬が刻一刻と近づいてくる。ここから旅は一段と険しさを増していった。

📷 豊浦付近を駆け抜ける特急北斗 鉄路の疾走 迫り来る峠を前に、一瞬の列車風景を切り取る
国道37号の試練と礼文華峠
大岸から礼文にかけては、一旦国道を外れて海沿いの荒磯を走る。 風は強く波も荒々しいが、どこか伊豆半島を思わせる美しい風景だ。

📷 礼文漁港近くの荒々しくも美しい海岸線 北の荒磯 荒れる海と強い風。伊豆を彷彿とさせる風情が広がる
しかし、礼文漁港を過ぎると再び嫌いな国道37号へ押し戻される。 この道は大型トラックの往来が物凄く多い。そのわりに路肩が狭く、路面状態の悪く暗いショートトンネルが幾度となく襲いかかってくる。伊豆での苦いライドを思い出させるヒヤヒヤの連続だ。反面、ツーリングのバイクにはほとんど出会わない。10台ほどすれ違った程度で、皆倶知安や羊蹄山方面へ向かってしまうのだろうか。
ここから本日最後にして最大の難所、礼文華(ぶんむけ)峠への上りが始まる。 不思議なことに、坂に入った途端、あれほど苦しめられた風が優しい追い風へと変わった。
斜度5〜6%の坂を4kmほど耐え抜き、ピーク付近に口を開ける長い長い礼文華トンネルへ。狭い車道を避け、広い歩道をゆっくりと噛みしめるように進んだ。

📷 礼文華トンネルの深い洞門 最大試練の峠 追い風に助けられ坂を上り切り、暗く長い洞門へ足を踏み入れる
工事の高架と長万部のゴール
峠を越えると、荒れた下り坂が待っていた。 ギャップに足をとられないよう、ハンズオンで慎重にブレーキを握り締めながら高度を下げる。 下り切ると、案の定、容赦ない強めの向かい風が再び吹き荒れ始めた。
途中、建設が進む北海道新幹線の高架が遠くに見えた。 札幌駅も絶賛工事中だが、この長万部付近でも着々と鉄路の建設が進んでいるようだ。時代の変化を肌で感じる。

📷 建設が進む北海道新幹線の高架風景 未来への鉄路 着々と延びる高架に、変わりゆく北の大地を想う
向かい風に押し戻されそうになりながら、海沿いの平坦路を最後の気力を振り絞って9km走り抜ける。 夕刻、ようやく今日の目的地である長万部駅へ滑り込んだ。
予報外れの風と劣悪な路面、大型トラックの恐怖にヒヤヒヤさせられた一日だったが、無事に難所を走り抜くことができた。
今日も一日、自分の足で進んだ。それだけで十分満足だ。

📷 夕刻の長万部駅前に立ち尽くす愛車 試練の完走 向かい風と悪路を耐え抜き、無事に今日のゴールへ辿り着いた


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