(札沼線廃線跡と石狩川の稲作地帯)
距離: 105.5km
獲得標高: 150m
正味ライド時間: 5h35m
天候: 曇りのち晴れ
気温:19℃/25℃
風:終始やや強めの向かい風
ライラックの輪行事情と深川からの旅立ち
朝の札幌駅から「特急ライラック3号」に乗り込む。 ビジネス利用が中心の車両だからだろうか、大型荷物置き場が見当たらない。インバウンド需要に対応するためか、向かい合う座席にネットを掛けた急ごしらえの荷物スペースが作られていた。やむなく車掌に許可を得て、車椅子スペースへ自転車をしっかりと縛り付けた。

📷 特急ライラック3号の車椅子スペースに固定した愛車 急ごしらえの居場所 大型荷物棚の無さに戸惑いつつ、車掌の了解を得て輪行袋を潜ませる
深川駅に到着。ここが今日のスタート地点だ。 稚内、帯広、そして札幌を結ぶ動線を、自分の足で一本の線に繋ぎ直すライドが幕を開ける。

📷 深川駅前に立つ愛車 動線を繋ぐ始点 稚内、帯広、そして札幌。北の大地の旅筋を結ぶライド路へ
しかし、走り出してすぐに後悔が頭をよぎる。 どこまでも平坦で走りやすいはずの道だが、終始真っ向から吹きつける強い向かい風。追い風となる札幌発・深川着のルートにすべきだったと悔やんでも後の祭りだ。おまけに路面も荒れ果てているが、悪路は北海道の宿命と割り切ってペダルを回す。

📷 妹背牛町の平坦路と広がる空 平坦の試練 快走できるはずの直線路。向かい風とギャップが行く手を阻む
妹背牛町(もせうしちょう)を過ぎ、石狩川の支流である雨竜川(うりゅうがわ)を渡る。石狩川に注ぐ大河に沿って、ひたすら南下を続けた。

📷 石狩川へと注ぎ込む雨竜川の流れ 大河の支流 石狩川の豊かな水系に寄り添いながらペダルを進める
米どころの歴史と札沼線の記憶
雨竜町の「道の駅 たきかわ」近くに立ち寄ると、大泉洋氏の顔ハメ看板が迎えてくれた。 幼少の頃、「北海道では寒さのために米は採れないし、稲作の弥生時代もなかった」と習った記憶がある。それが今や、日本を代表する一大米単作地帯へと変貌を遂げているのだから感慨深い。

📷 雨竜町の道の駅に設置された顔ハメ看板 米どころの変遷 かつて米が育たないと言われた大地が、日本一の米どころへ
新十津川の町に入る手前、徳富川(とっぷがわ)に差し掛かると、旧札沼線(さっしょうせん)の廃線遺構である古びた橋梁が見えた。 かつて石狩沼田まで通じていたことから名付けられた「札沼線」。その歴史の影が今もひっそりと残っている。

📷 徳富川に架かる旧札沼線の廃橋梁 鉄路の残像 石狩沼田へ通じていた往時の記憶を宿す静かな遺構
2020年春に廃止された札沼線の北部区間。 雪深い同年2月、迫り来る「武漢ウイルス」の混乱の中で惜しみつつ乗車した思い出が鮮やかに蘇る。あの後の廃線跡を確かめるのも、今日の旅の目的の一つだ。
新十津川駅跡地は一部が公園として整備され、200mほどの遊歩道になっていたが、その先は草の茂る荒れ地や未舗装路へと呑み込まれていた。それでも確かにここに鉄路が存在したという独特の風情が漂っている。

📷 公園として一部が整備された新十津川駅跡 最後の記憶 2020年2月、雪の中で乗車した思い出の駅。草に埋もれゆく鉄路跡を辿る

📷 草に覆われつつも佇まいを残す廃線跡 時の移ろい 荒れ地の中に今も確かに息づく、鉄路の面影
続いて立ち寄った月形駅跡も、一部が静かな公園として残されていた。 昼食は近くの「ごはんや いぶくろ」へ。女性二人で切り盛りする温かい雰囲気のカフェで、心解きほぐされる美味しいランチをいただいた。

📷 公園として保存される月形駅跡 静寂の駅跡 旧駅の空気感に浸りつつ、心地よいカフェでひと息入れる
開拓の歴史と変わりゆく学園都市線
浦臼(うらうす)のあたりでは、一面に広がる青々とした見事な田園風景に出会う。 一瞬北海道であることを忘れそうな風景だが、これもすべて石狩川のもたらす恵みなのだろう。

📷 浦臼町に広がる雄大な水田風景 大地の恵み 石狩川の潤いが育む、北海道らしくも美しい稲作地帯
途中、「坂本龍馬」の文字を目にして足を止めた。 生憎「浦臼町郷土資料館」は休館だったが、かつて龍馬の遺志を継いだ親族(甥の坂本直寛ら)がこの地に入植し、開拓に力を尽くしたという歴史を知り、胸が熱くなる。
さらに進み、現在の札沼線(学園都市線)の終着駅である「北海道医療大学駅」へ。 大学に直結する現代的な駅だが、聞けば遠からず医療大学本体が北広島市へと移転するらしい。冬場の豪雪による列車の運休が学生の足に影響を与えることが理由だという。大学が消えれば、この駅の存在理由も失われてしまうのだろうか。過酷な自然と鉄路の厳しい現実を突きつけられる。

📷 学園都市線の現在の終着・北海道医療大学駅 移ろいゆく駅 移転の波に呑まれようとする駅舎。雪と戦う鉄路の宿命を感じる
そこから少し走り、「ロイズカカオ&チョコレートタウン(ロイズ工場直売店)」へ立ち寄る。 雰囲気の良い店内で、ジャージー牛乳ソフトクリーム(480円)を注文。ミニストップのそれよりも濃厚で、病みつきになりそうな美味さだ。パンやチョコを眺めながら疲れを癒やした。

📷 ロイズ工場直売店の濃厚なジャージー牛乳ソフト 甘美な休息 濃厚なコクが疲れた身体に染み渡る極上のソフトクリーム
札幌大橋を渡ってゴールへ
ライドの締めくくりは、石狩川に架かる「札幌大橋」だ。 学園都市線の電化区間が並走しているが、橋に頑丈な防風壁が設置されているため、走行する電車はほとんど見えない。単線ゆえに駅が多く、ゆっくりと走る列車の気配を横目にペダルを回す。

📷 石狩川を跨ぐ札幌大橋からの景観 動線の完結へ 防風壁の向こうを走る電車を感じながら、最後の橋を渡る
札幌大橋を渡りきり、今日のゴールであるあいの里公園駅へと滑り込んだ。
終始向かい風と劣悪な路面に苦しめられ、大型トラックの猛スピードにヒヤッとさせられる場面も多かった。しかし、稚内・帯広・札幌の動線を自走で一本に繋ぎ直すという目標を、無事に果たすことができた。
北の大地の歴史、鉄路の盛衰、そして豊かな食を味わい尽くした一日。 今日も無事に走り切れたことに感謝を。


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